最近、インバウンドマーケティングという言葉を聞いた事がないだろうか?
インバウンドマーケティングとは自らPUSH型の営業をせずに、見込み顧客を引き寄せ顧客にするマーケティング手法だ。
そう聞くと、「そんな魔法の方法があるのか!ぜひ教えて欲しい!」という反応になってしまうのが常だが、
実際のところは、Webを利用したマーケティング施策を最大活用し、見込み顧客を集客する手法の総称に過ぎない。
「なんだ、そんなことか。それなら当社でも実践している。会社のブログもあるし。」という声も聞こえてきそうだ。
しかし、多くの企業が、インバウンドマーケティングという言葉を理解し、それらを実践できていない。
往々にして、新しい言葉が生まれる時はそれまで定義付けることができなかった現象や事象を表現するためだが、
インバウンドマーケティングもそうだ。
Youtubeで自社製品の使用法を流す、twitterで社内の雰囲気を伝える、Facebookページで顧客との対話を行う。
そういったものそのものがインバウンドマーケティングではない。
インバウンドマーケティングの本質とは「顧客の理解」である。
冒頭の繰り返しになってしまうが、インバウンドマーケティングとは「見込み顧客を引き寄せ、顧客にする」
という手法で、あくまでも伝える手段がWebを利用してというだけのこと。
重要なのは見込み顧客になり得る層が、「何の情報を欲して、探しているか」を理解することだ。
Blogを書けばいいのではないし、製品情報のQ&Aを企業サイトに掲載すればすむ話しではない。
見込み顧客が「何の情報を欲しているか」、これはある意味では自社の存在意義の再確認でもある。
例えば、
・腕時計は時間を計測、把握するためのものでなく、自己顕示欲を満たしたり、自らが置かれている社会性を表現するためのもの
・シャンプーは髪を単に洗浄するためのものではなく、もっと自分が美しくなるためのもの
・携帯電話は通話するものでなく、メールを始めとした非同期コミュニケーションや情報収集を円滑に行うため
もし、腕時計が時間を計測、把握するためのものであれば、より正確な電波時計がもっと幅を利かせているだろうし、
自動巻なんてものは廃れているだろう。洗浄力が強いシャンプーがあったからといってそれを選択されないだろうし、
実際に、爽快感を得るものや、髪がしなやかになるような成分が入っているものが販売されている。
携帯電話は今や通話による売上は下がり続ける一方で、データ通信の量はずっと右肩上がりだ。
消費者向けの商材を取り上げたが、これは企業向けのサービスや製品を販売している企業も同じで、
「顧客が求めている価値」のパラダイムシフトが起きているということだ。以前の価値は顧客は求めておらず、
別の価値を求めていることを理解する事が重要だ。インバウンドマーケティングはそこから始まる。
顧客が求めている価値を理解すれば、自ずと企業サイト、Blog、twitter、Facebook、Youtube
といったマーケティングプラットフォームを利用して、顧客が欲している情報を伝達し、関係構築を図る事ができる。
インバウンドマーケティングのみで会社を成長させた有名な企業にハブスポット社(http://www.hubspot.com/)が存在する。
この会社は上記に掲げたマーケティングプラットフォームをいかにインバウンドマーケティングにおいて最大限に活用するサービスを提供している。そのため、ブログを専任で書くメンバーが数十人社内にいる。
どの程度まで実践するかは、企業が置かれている状況にもよるが、
「顧客は何の価値を感じてその製品・サービスを選択したか」と考えるのは無駄ではないので、一度、社内で話しをしてみるのはいかがだろうか。
株式会社ジンテック 執行役員 中本 悠太